第七話 涙の営業修行と、4,580万円の初成約

この記事は6分で読めます

7
Pocket

宅建の試験に受かり、すぐに始めた、

不動産営業として働ける会社への求職活動。

 

その結果、すぐに採用してくれた会社は、

自社で買い付けた土地に、自社で建てた新築の一戸建て住宅を売る、

いわゆる建売販売の会社でした。

 

目標に向けて着実に進んでいることを実感し、

大喜びで転職しましたが、

3ヶ月後にまた、転職することになってしまいます。

 

新入社員には営業させない会社だったんです。

 

セールスは古参社員の仕事、クロージングは部長の仕事。

 

チラシをみて問い合わせてくるお客さんの対応は、

先輩社員や上司の担当でした。

 

自分から電話してくるようなお客さんだから、

当然成約する可能性も高い人たちばかり

 

そんなアツいお客さんは

一切対応させてもらませんでした。

 

新入社員の仕事は、

チラシを作ること、

チラシを印刷すること、

チラシを配ることというのが暗黙の了解でした。

 

そのほかの時間は読書したり、

上司の運転手をします。

 

仕事中に読書とか、ギャグでしょう(笑)??

天然記念物みたいに珍しい、保守的な会社でした。

 

 

でも、だからこそ、

営業スキルを高めるべく、

修行となりうる方法を模索することができました

 

 

最初から良いお客さんを与えられていたら、

自分でお客さんを探すことはできなかったかもしれません

 

逆境と感じるときは、必ず大きなチャンス。

 

ふりかえって、強くそう感じます。

 

 

一日も早く営業スキルが磨きたかった私は、

思いつく限りのことをやってみました。

 

チラシを配布する業務中に、

ただ一人、

片っ端から飛び込み営業しました。

 

新築の住宅という、高額な商品です

 

ピンポーン、買いませんか~?とすすめて、

売れるわけがありません

 

しかも20歳そこそこの女子がすすめているんだから、

説得力のかけらもない。

 

新聞や果物や浄水器とは、わけが違います

 

もちろん売れませんでしたが、

セールスをするメンタルが鍛えられました。

 

 

のちに詳述しますが、

起業してはじめてした営業活動は、

法人への飛び込み営業でした。

 

コストは自分の人件費だけ。

 

名刺とかんたんなチラシがあれば、十分です

 

でも、

見込み客さえ絞り込めていれば、

強力な集客方法となります

 

事実、結果は10%もの成約率で、

創業当初の売り上げの基盤を作ることができました。

 

 

営業させてもらえない新人営業だった私は、

ほかには、

過去に成約しなかった顧客リストがほしいと訴えて、

一件一件電話営業していきました。

 

電話をして、いま現在、

まだ不動産購入をしたいと思っているかどうかを確認します

 

もし購入の意思があったら、

条件や予算など丁寧にヒアリングして、合致する物件の案内をします

 

購入意思が無くなっていても、

興味がありそうなお客さんなら、

最新の税制やニュース、トレンドなど、

不動産に関する情報を印刷して、送りました。

 

この作業で得られたものは大きかったです

 

まず、リストの重要性を、身をもって知ることができました。

 

手当たり次第に訪問しても、

住宅に興味がある人なんて、5%もいません。

 

でも、過去に問い合わせをくれた人たちは、

100%、住宅に興味があった人たちです。

 

そもそも

住宅に興味のある人しか買いませんから、

興味がある人の中で1%の人が成約するとしましょう。

 

手当たり次第に営業したら、成約率は0.05%。

 

2000人に営業して、

やっと一人買ってくれます。

 

でも、過去客なら、成約する割合は1%になります。

 

100人に一人が成約する計算で、

その成約率は、手当たり次第リストの、実に200倍です。

 

 

また、

接触頻度の多さがもたらす、効果の大きさも実感しました。

 

ザイアンスの法則と言いますが、

関わる回数が多いと、

好きになったり、信頼したりされやすくなる、というもの。

 

たまに会う人より、

よく会う人のことを好きになりますよね、当然。

 

関わる回数、というのがミソで、

 

一回だけ長時間を一緒に過ごす

よりも、

短時間だけど何回も一緒に過ごす

 

ほうが、信頼関係を得やすくなります。

 

私が電話営業していた顧客リストは、

問い合わせてくれた瞬間は、

何十分も電話で会話したり、

一緒に何時間も物件を見たりして、

営業マンに好感を寄せていたはずです。

 

でも、その日に成約しない、となると、

営業マンが連絡をすることはありませんでした。

 

せっかく構築された信頼関係は、

接触しない時間とともに、どんどん失われていきます。

 

反対に私は、

一回の電話や訪問の時間は短かったものの、

何度も繰り返して、連絡しました。

 

もちろん、嫌がられたり、

迷惑と思われることをし続けたら逆効果ですが、

少しでも反応の良いお客さんには、

望まれる資料や、

喜ばれる情報、

希望条件に近い物件の案内など、

こまめに送り続けました。

 

 

そうして入社2か月後、

掘り起こしたリストの中から成約を得ることができました。

 

 

営業スキルが向上したわけではなく、

ただ地道なアプローチが実を結んだだけなんですが、

私にとって初めての成約です。

 

お客様の名前は秋山さん、

,580万円 の、

蕨の新築一戸建てでした。

 

もともとは高校中退で経験も資格もないアホ女子で、

面接にすら受からなかった。

 

名刺なんてもらったこともなくて、

渡し方も分からなかった。

 

パチンコ屋でしか正社員勤務したことなかった。

 

 

そんな私が、4580万円もの商品を売ったんです。

 

 

お客さんに『契約したいです』と言われたとき、震えました。

 

どもりながら、契約の流れを説明し

契約日時を決めて、お客さんと別れてから、

 

『ぃぃぃぃっやった~~~~!』

 

と、嬉しさがこみ上げてきました。

 

その時の緊張感、興奮、嬉しさ、

もう15年近く前の出来ことですが、忘れられません。

 

契約の時、がちがちに緊張して、お客さんから心配されるという、

情けない営業社員でした()

 

会社の社長や専務、部長から、とても誉められました。

 

でも、ほかの営業社員からは、猛烈な批判を浴びました。

 

まぐれで良い気になるな、

調子に乗るんじゃない、

子ども(扶養家族)もいない奴は気楽に仕事できていいよな、

ビギナーズラックだ、

などなど、

時間や場所を問わず、中傷され続けました。

 

 

いままでずっと、

会社の広告費で集めた、

新規のお客さんだけを対応していればいい、

という会社だったんです。

 

それを

入社したての女子社員が

余計な営業活動をしたせいで、

既存の社員は比較されることとなってしまいました。

 

このままでは、仕事を増やされてしまう。

 

立場が、給料が、脅かされるかもしれない。

 

先輩社員には、

そんな危機感があったのかもしれません。

 

 

私の目の前に集中できる仕事があれば、

まだ良かったんです。

 

でも、土・日・祝はテレアポ営業禁止、

(広告を出しているため、着信できない危険性を回避するため)

平日は

上司の運転手業務に指名されることが増えていました

 

そんな日は、

社内や車でぼーっとしながら、

ずっと自分の批判を聞き続けなければなりません。

 

ほんとうに苦痛でした。

 

同僚と別れた後、

帰りの電車の中や帰宅した後、

悔しくて、辛くって、泣いてしまうことがよくありました。

 

そして、

過去客の掘り起こしは古参社員がやるべきということになり、

また

新入社員ができる仕事がなくなってしまいました。

 

 

勤務する意味が無い。

 

 

そう思った私は、転職活動を始めました。

 

そのころは、

自宅近くの大手スーパーで、アルバイトを楽しんでいました。

 

疲れ、傷ついた私を慰めてくれる

優しい夫でしたが、

私の心には

『なんであなたは努力しないの!?』という思いが

渦巻いていました。

 

生活苦も手伝い、

転職活動を機に、夫と別居することになってしまいました。

(4,580万円の住宅を売っても、私の手取り給料は14万でした。)

 

 

ただ、お互いに気持ちがなくなったわけではありませんでした。

 

とりあえず別居して、お互い自立しよう、

自立して同居できる状態になったら同居しよう。

という合意での別居でした。

 

私は実家近くのワンルームアパートを借り、

夫は実家に戻ることとなりました。

 

それを機に、

彼は大手スーパーのアルバイトを辞め、

測量会社の見習いとして就職しました。

(測量とは、土地の長さや面積を図る仕事です。

大きい三角のコンパスみたいなのもって図ってる人、見たことありません??」)

 

そこでの激務が、

二人のすれ違いを決定的なものにしてしまうとは知らず、

彼の就職を一緒に喜びました。

 

 

転職活動を始めた私が採用されたのは、

加須に本社のある不動産会社で、大宮支店に配属されました。

 

大宮支店の社員は、

40代の中堅営業マンと、50代後半のベテラン営業部長の

二人しかいませんでした。

 

前職と同様の、

自社の新築戸建ての販売もありましたが、

流通している中古住宅の売買も仲介する会社でした。

 

営業スキルを身に着けたい、磨きたい

 

そう思ってはいたものの、

気付くとがむしゃら営業がスタイルになってしまっていました。

 

このころ、

経験も知識もなく、年も若い自分を補うため、

父の助言もあり(いま思えば素人の思い込みにすぎないのだけども)、

できるだけ真面目そうな外見を心がけていました。

 

カチッとしたパンツスーツに、

低いヒールの革靴、

飾りっ気のない白いブラウス。

アクセサリーは付けず、

最低限のお化粧で、ショートカットにメガネ。

 

アルバイトの時の大手不動産会社の営業社員をお手本にした、

真面目営業マンスタイル女子バージョンです。

 

毎日がリクルート姿でした()

 

今だったら、専門性を高める勉強をし、

個性がでる服装をします。

 

(たとえばエリア限定、家族向けマンション物件の専門家になり、

地域の特性や売り物件はもちろん、

過去の売買状況からリフォーム実例、

マンションに適用される法令・税法を網羅するなど)

 

また、個人でブログ・メルマガ等で情報発信をし、

既契約顧客のフォローに精を出します。

 

でも、当時は、反響に丁寧に受け答えし、

顧客の要望で現地案内したり、

物件を探したりするだけでした。

 

土日以外は見込み客にテレアポしたり、

物件情報を届けにいったり、

新着物件を下見に行ったり、

売り出し物件のまわりでポスティングしたり・・。

 

真面目な見かけ其のままの、愚直な営業スタイルでした。

 

朝8:00~夜20:00ころまで仕事し、

休みは平日1日のみ。

 

仕事が終わるとクタクタで、

お風呂で眠ってしまう日がよくありました。

 

しかし、

あまり考え無しの愚直な営業ではあったものの、

真面目にやっていれば成約するのが不動産営業。

 

ほぼ毎月成約し、

100万から200万ほどの仲介手数料を売り上げていました。

 

その時の給料は手取りで一か月20万ちょっと。

 

成約すると、7万円の報奨金が加算されました。

 

 

夫婦生活はと言えば、

は土日休みで、

平日は深夜まで勤務があり、

すっかりすれ違う生活になってしまっていました。

 

それでも、離婚に踏み切るような問題は起こらず、

ただの恋人のような付き合い方が続きました。

 

第八話に続く

Pocket

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事

  1. 3
  2. 22
  3. 5
  4. 6
  5. 18
  6. 23
  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

高校中退アホ女子が起業して年収1000万を得たストーリー

  1. キャプチャ
  2. 1
  3. 2

Feedlyで購読する

follow us in feedly

中村華子プロフィール

キャプチャ

はじめまして、中村華子です。
3人の子どもと暮らすシングルマザーです。

親から虐待されて育ち『支配される恐怖』のなかで子ども時代を過ごしました。

アホ女子高校を中退しフリーターしていましたが、

『一生、誰にも支配されない生き方がしたい』と25歳だった2006年に起業し、1年で年収1,000円になりました。
↓2年続けて、本を二冊、出版しました↓


 
女子でも、

学歴も、才能もセンスも、

コネも人脈も、 経験も特技も、

何にもなくても、

依存せず自立できることを、身をもって体験しました。

 

少し昔の私と同じように『今を変えたい!』と思っていたら、
大丈夫です、ぜったいあなたでもできます!と伝えたい。

そのために、私の経験や知っていることを活かして欲しい。 そう思って、ブログを書いています。


もしすこしでも私のことに興味を持たれたら、ためしに読んでみて下さい!

アホ女子高校を中退したフリーターが、起業して年収 1000 万を得るまでレポート

 

1
もし長い文章でも良ければ、こちらも読んでいただけると嬉しいです。
(左の画像をクリックすると、ストーリーが読めます)

恋愛、仕事、起業、二度の結婚と離婚、出産、子育てなどなど、隠すことなくいままでのすべてをさらけ出した、私の生い立ちストーリーです。
寝不足になってしまう、と好評です(笑)。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

ポチって下さると嬉しいです