第十話 初のキャバ嬢経験と起業

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失恋のショックは大きく、

会う人会う人みんなから『痩せた?』と言われるほど、

ほっそりしてしまいました。

 

そんな私を見かねた昔からの友だちに、

『働いたら元気出るかもよ!』

と誘われました。

 

その仕事は、キャバクラのホステス業でした。

 

どうしよう・・・

 

私は迷いました。

 

私や兄弟にひどい虐待を続けた母は、

ずっと水商売をしていました。

 

キレイにお化粧して、

美しい洋服で、

お客さんには笑顔を振りまいた母。

 

でも、

家はゴキブリとゴミだらけで、

子どもたちはいつもボロボロの服装、

恐ろしい形相で暴力と支配を強いた母。

 

母のようになりたくない。

 

そんな思いから、

水商売にはずっと抵抗がありました。

 

『人が足りないんだって、

すぐ辞められるからやってみなよ!』

 

あっけらかんとそう言う友だちは、

高校中退後、

すぐ水商売の世界に入り、

そのキャリアは9年になっていました。

 

すぐ辞められるなら・・・

 

と、

落ち込んだ気持ちを立て直すため、

私は友だちの誘いにのることにしました。

 

翌日、西川口駅で待ち合わせ、

夕暮れの道を歩き、

友だちとキャバクラへと向かいました。

 

ずっと嫌悪していた、水商売。

 

緊張と罪悪感と後悔とが入り混じった、

何とも言えない気持ちで、

はじめてその門をくぐりました。

 

明るい音楽が流れ、

ザワザワと、人の話し声が聞こえました。

 

友だちが私を店長に紹介すると、

童顔で感じのいい店長は、さっそく尋ねてきました。

 

『お店での名前は、なにがいい?』

 

私はとっさに、

 

はなこ、でお願いします。

 

と答えていました。

 

その会話を聞いていた友だちが、

『本名じゃん()』と

笑いました。

 

でも私は真顔で、

いや、やましいこと何にもしなければ、

本名でいいでしょ?

と応えました。

 

店長は、はなちゃんの好きでいいよ!と明るく言って、

未経験の私を、友だちに託しました。

 

ここで、好きなドレスを着替えて、

空いてるロッカーに荷物入れて。

 

トイレはここ、

化粧をするときはここ。

 

そして、主な仕事は、

お客のタバコに火をつけること、

お酌をすること、

と教わりました。

 

指名されたら指名料がもらえて、

お客と一緒に出勤すると同伴手当てがもらえる。

 

でも、ただ出勤するだけでも、

時給はきちんと発生する。

 

指名なしのお客さんや、

二人連れのお客が一人を指名した場合などにつくヘルプは、

お店が人選する。

 

などなど、

はじめて聞くキャバクラのルールに、

 

へー!

へー!

 

とひたすら驚いていました。

 

 

あまりに日常からかけ離れたドレスをまとい、

更衣室から出ると、

すぐ目の前の待合所に促されました。

 

その一角は、

お店に入ってすぐ目の前にあり、

お客さんの席についていないキャバ嬢たちが、

お呼びがかかるのを待つ場所です。

 

私は友だちについて、

そこに腰をかけました。

 

赤や黄色、水色やピンク・・・

色とりどりのドレスを着た、

7~8人のキャバ嬢たちが、

会話したり、携帯を眺めたりしていました。

 

はじめまして~

よろしく~

など、かんたんなあいさつを済ませて間もなく、

お呼びがかかりました。

 

友だちと一緒に、

二人連れのお客さんのところに向かいました。

 

私は大柄なお客さんの横に座り、

ぎこちない手つきでタバコに火をつけ、

お客さんの水割りを作りました。

 

あとは好きに話すだけです。

 

少し年上な雰囲気のお客さんに、

どんな仕事してるんですか?と聞きました。

 

お客さんの答えは、

意外なものでした。

 

『うん、エアコン屋の経営』

 

えーーー、経営者なんですか!?

 

半年以上、

起業したいと思っていませんでした。

でも、

隣に経営者が座っていると聞いたら、

がぜん興味が湧いて、

矢継ぎ早に質問を繰り返しました。

 

いつから経営してるんですか?

どうやって起業したんですか?

売上はどのくらいなんですか?

どこでやってるんですか?

なんでエアコンなんですか?

 

書き出してみると、

初対面なのに突っ込んだ質問をしていました()

なんと失礼なキャバ嬢でしょう(笑)。

 

でも、興奮した私は、

そんなことお構いなしで、

次々に質問しました。

 

『経営に興味があるの?』

お客さんから、そう聞き返されました。

 

・・・あります。

起業したいんです。

 

一瞬ちゅうちょしたものの、私はそう答えていました。

 

そんな感じでキャバ嬢初日を終え、

朝焼けに照らされた送迎車に揺られながら、

 

私、やっぱり起業したい・・・

 

そう思っていました。

 

 

とはいえ、

思ったよりキャバクラの雰囲気は良く、

友だちがいることもあり、

辞めることができませんでした。

 

週に2~3日休みつつ、

出勤すれば日の出間近まで働く日々。

 

なれない昼夜逆転の生活で、

それ以外のことをする気力や体力が

湧きませんでした。

 

初日に出会った経営者のお客さんは、

その後も来店し、

私を指名してくれました。

 

6歳年上のお客さんは、

20歳で起業した、ベテラン経営者でした。

 

1度目の起業では失敗したものの、

すぐれた分析力と行動力で、

2度目の起業では大成功を納め、

30歳にして、

ほとんど働かずに大きな収入を得ていました。

 

私は、

彼の話す起業家の世界に、心を奪われていました。

 

聞くことすべてが刺激的で、

どんなことでも聞きたがりました。

 

彼は

熱心に経営について聞く私が面白かったのか、

なんでも教えてくれました。

 

そのうち、

お店の外でも会うようになり、

恋人として、付き合うようになりました。

 

 

彼と交際が始まったとき、

私はキャバクラを訪れてから一か月がたっていました。

 

 

いつもと同じように出勤すると、

お店の前に

友だちが立っています。

 

お店に入らないで、どうしたんだろう。

あれ、いつもは開いてるドアが、閉まってる。

 

不思議に思って近づくと、

友だちは目を丸くして、こう言いました。

 

『お店、つぶれたんだって』

 

えーーーーーー!

 

私の目も、さぞかし丸くなっていたことでしょう()

 

ということで、

私は一か月でキャバクラを退職することとなりました。

 

人生って、

偶然のような必然の、

積み重ねなんだなぁと感じます。

 

もしこの時、

お店がつぶれていなかったら、

私は水商売にどっぷりはまって、

いまもホステスをしていたかもしれません。

 

私は、この偶然を、必然と考えました。

 

起業するなら、今なんだ、と。

 

不意のキャバクラの閉店をうけ、

起業の決意をしました。

 

 

が、

やりたい仕事もなく、

なんの仕事で起業しよう・・・と悩みました。

 

不動産営業がいちばん長い仕事経験でしたが、

不動産業の開業は考えていませんでした。

 

不動産業、開業費が高いんです;

 

好きなことを仕事にしたい、という思いが漠然とありました。

 

・・・私の好きなことを考えると、

読書、

料理、

お酒を飲むこと、

そうじ、

が思い当たりました。

 

・・・仕事にできそうなのは、

料理かそうじ。

 

・・・無資格でも出来そうで、

食中毒などのリスクが少ないのはそうじかな。

 

・・・じゃあ将来性はどうだろう。

ホームヘルパーの求人が激増していました。

日本人の高齢化は、

確実にすすむ。

今後ますます、体を動かすサービスの需要は高まるはず。

 

・・・利用者はいるかな。

日本にはメイド文化がありません。

家事やそうじを外注する人は、

多くはなさそうです。

でも、金額の高い商売で、

付随するほかのサービス販売も見込めるためか、

大手企業が参入し始めていました。

 

『家事代行』という

サービス名の認知度も上がり、

ほとんどの人が聞いたことはある、という状態でした。

 

認知があるなら、広告していけば売れるかもしれない。

 

 

全体的に甘い検討ですが(^^;

 

 

今にして思うと、大手企業が参入していて、

信用が必要な家事代行という商売に、

個人事業主が挑むという、

相当に果敢なチャレンジでした()

 

 

そうと決めてから、父に起業の報告に行きました。

 

開店前のライブハウスで、

父が入れてくれたウイスキーを飲みながら話すと、

予想外の言葉が返ってきました。

 

『無理に決まってる

『馬鹿じゃないの』

『せっかく宅建とったんだから、普通に勤めなよ』

 

きっと父は応援してくれる。

 

そう信じていたのに、

父からはショックな言葉が次々と発せられました。

 

ようは、大反対されたんですね。

 

私は

理解してくれない父に激怒し、

飲んでたウイスキーぶっかけてりました(笑)

 

父に反対されて悲しい。

 

素直にそう認めることができませんでした。

 

だから、

その悲しみを怒りで包んで、

見ないようにしました。

 

もう父には何も言わない。

 

結果を出そう。

 

父の反対が、私に強い決意をさせました。

 

ノウハウを学ぶため、

数社の家事代行会社でアルバイトし、

 

同時進行でチラシを作ったり、

屋号を決めて、名刺作って・・・

 

いそいそ準備を進めているとき、

起業家養成科でお世話になった講師の一人から、

経営の先輩を紹介されました。

 

県の起業センターなるところで、

相談員をしているそうです。

 

一度相談してみては、とのことでした。

 

せっかくだから、と相談に行くと、

まずは事業を始めるための、融資を受けてはどうか、

とすすめられました。

 

当時の私は、

ろくに貯金もありませんでした。

 

財布の中には2000円、

銀行にだって15000円ほどしかありません。

 

働くようになってから、

一番の、

お金のない瞬間でした。

 

なるほど、確かに!

融資を受けたら、安心して営業にまわれます!

 

納得した私は、

さっそく事業計画書の作成に取り掛かりました。

 

事業内容は・・・

将来性は・・・

営業方法は・・・

固定費と経費は・・・

 

このくらいの売り上げは見込めるかな~

なんて、

ニヤニヤしながら

みっちり作りこんでから、

重大なことに気付いていしまいました。

 

資本金が無い!

 

2005年の当時、

私は国民金融公庫(今で言う日本政策金融公庫)で

創業融資を借りるつもりでした。

 

その融資条件のひとつに、

資本金の同額までを融資する

というものがありました。

 

50万円借りたかったら、

50万円持っていなくっちゃダメだよ☆

という条件です。

 

激貧だった私にそんなお金は無く、

キャバクラで出会った経営者の彼に相談しました。

 

一日だけ貸して!!

翌日には返すから!!

 

そうお願いしたところ、

彼はあっさりと

100万貸してくれました。

 

ガリガリに作りこんだ事業計画も功を奏して

国庫から

100万の融資を受けることができました

 

事業融資で100万円というと、

ほんとに少額で、

可愛らしい規模です。

 

でも、当時の私にとっては、

例えようのない大金でした。

 

まだ売上もたっていないのに、

大金を手にして、

まさに大船に乗ったつもりになってしまいました。

 

私が贅沢が好きだったら、

散財してしまったかもしれません。

 

このお金は借りたものです。

 

でも、自分の口座に入ってしまうと、

まるで自分のお金だと錯覚してしまいます。

 

創業融資を受けてすぐ、

ベンツ、

高級着物、

銀座のキャバクラなど、

派手にお金を使ってしまう社長を、

何人もみました。

 

その後の返済に苦しむこととは知らずに・・・

 

でも、

私は贅沢な遊びや趣味を、知りませんでした。

 

洋服は古着で十分。

趣味は読書くらいだし、

ブランド物に興味なし。

自炊のご飯が好きで、

お酒も家で飲むのが好き。

 

だから、

融資された100万円を散在することはありませんでした。

 

第11話に続く

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中村華子プロフィール

キャプチャ

はじめまして、中村華子です。
3人の子どもと暮らすシングルマザーです。

親から虐待されて育ち『支配される恐怖』のなかで子ども時代を過ごしました。

アホ女子高校を中退しフリーターしていましたが、

『一生、誰にも支配されない生き方がしたい』と25歳だった2006年に起業し、1年で年収1,000円になりました。
↓2年続けて、本を二冊、出版しました↓


 
女子でも、

学歴も、才能もセンスも、

コネも人脈も、 経験も特技も、

何にもなくても、

依存せず自立できることを、身をもって体験しました。

 

少し昔の私と同じように『今を変えたい!』と思っていたら、
大丈夫です、ぜったいあなたでもできます!と伝えたい。

そのために、私の経験や知っていることを活かして欲しい。 そう思って、ブログを書いています。


もしすこしでも私のことに興味を持たれたら、ためしに読んでみて下さい!

アホ女子高校を中退したフリーターが、起業して年収 1000 万を得るまでレポート

 

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(左の画像をクリックすると、ストーリーが読めます)

恋愛、仕事、起業、二度の結婚と離婚、出産、子育てなどなど、隠すことなくいままでのすべてをさらけ出した、私の生い立ちストーリーです。
寝不足になってしまう、と好評です(笑)。

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