第12話 恐怖の大そうじと、おばあちゃんとの同居、交通事故での出会い

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そうして起業して約四ヶ月後

墨田区でリフォームの注文をいただきました。

 

友だちの親せきが住むアパートの、

廃品処分と、リフォームです

 

友だちの親せきは82歳のおばあちゃんで、

自称戦争っ子。

 

結婚されておらず、独身で一人暮らしをしていました

2006年5月に

少年の乗る自転車集団に驚き、転んでしまったそうです。

転んだ衝撃で歩けなくなってしまい、

そのまま入院されました。


病院から連絡を受けたせきが、

入院準備をしに彼女のお部屋を訪ねてびっくり!

荷物やゴミなどが山積し

全ての窓がふさがっていました

のままでは退院させられない!と、

親せき集まり、

毎週お部屋のおそうじをし続けたらしいのですが、

心が折れてきたらしく...。

2か月後、私にお声がかかりました

 

さっそくお部屋を見に行くと、

部屋の状態はすさまじく、

180センチまで積みあがった、物の山。

 

玄関からベッド、トイレ、キッチンにつながる

60センチほどの通路以外は、

見渡す限り、

山・山・山・・・。

 

部屋は

ゴミも荷物も混ぜこぜになった山と、

たくさんのゴキブリとが、

埋め尽くしていました。

 

ベランダも物だらけ、

野生化したようなアロエは、

1メートル以上に生育し、

凶暴な様子でたたずんでいました。

 

2か月間、毎週そうじしつづけて、これか・・・

 

私は、

あまりの惨状に、息をのみました。

 

窓が物の山でふさがっているから、

昼間でも真っ暗。

 

常にいたるところから、

カサコソカサコソ、虫が動く音がします。

 

悲鳴を上げそうになりました。

 

私一人では、作業どころか

立ち入ることすらできません。

 

まずはすべてを処分し、

それから破損している設備の交換や、

バリアフリー化のリフォームをしましょう、

と説明しました。

 

初現場を手伝ってくれた

ハウスクリーニング経験者の友だちと、

その息子さんたちに手伝ってもらい、

意を決して、

丸2日かけて部屋を空っぽにしました。

 

何か動かすたびに出てくる、

大量のゴキブリ。

 

部屋の中には悲鳴が響き続けました。

私だけじゃなく、

友だちの息子二人も、

あちこちで『ぎゃー!!』と悲鳴を上げていました(笑)。

 

じつに2トントラック2台分の、

想像を超える量の廃棄物が

処分されました。

 

物の山が無くなると、

驚くほどに明るい日差しが差し込みました。

 

やっと終わった・・・

 

そう思ったのもつかの間、

 

今度は、

陽の光に照らされ、

壁に光る大量のゴキブリのたまごが

姿をみせました。

 

友だちの息子さん方も、またまた絶叫していました(笑)。

 

部屋を閉め切り、

害虫駆除剤を炊き、大量の虫の死骸をそうじし、

それを2回繰り返しました。

 

やっとの思いで、

物も虫もいなくなった部屋の中。

 

 

まだまだビックリは終わりません。

 

 

台所のシンクは錆び、

畳は腐り、

水回りの床は朽ちていました。

 

私は住宅にかかわるリフォーム業を8年間続けましたが、

この家を超える家には、

出会うことがありませんでした。

 

起業してわずか四ヶ月、

ゲームを始めたばかりで、レベル1の時に

大物のラスボスに出会った感じです。

 

そうして工事の最終段階、

リフォーム作業に入りました。

 

腐食し朽ちはてた床を修理し、

割れた窓ガラスを交換。

 

キッチン、浴槽、畳も新品に交換し、

床も、壁紙も、ふすまも、

すべて張り替えました。

 

足腰が弱ったおばあちゃんが一人で暮らすため、

各所に手すりが付けられました。

 

仕上げに、

白い部分の見えないトイレや

ほこりの積もった洗面台、

窓やサッシ、

家中のコンセントやスイッチパネルに至るまで磨き上げ、

 

工事が完成しました。

 

アパートはピカピカに明るくなり、

まさに見違えました。

 

この現場は、

かんたんな内装のリフォームしか

したことが無かった私が、

はじめて請けた大工事でした。

 

見違えた部屋に、

おばあちゃんや親せきがたも喜んでくれてました。

 

 

お仕事完了、一件落着、

となるはずだったのですが、

退院の1週間前、

依頼主のおばあちゃんから電話がかかってきました。

 

 

私とおばあちゃんは、

リフォームの打ち合わせで話すうちに、仲良くなっていました。

 

おばあちゃんは、すみえさんという名でした。

すみえさんは言いました。

 

『はなちゃん、

私、一人で暮らせるか、不安なのよー。

一緒に住んでほしいのよ~。』

三ヶ月ちかく入院していたすみえさん。

 

その不安な気持ちは、

分かるような気がしました。

 

そのころ私は、

上尾のマンションを自宅兼事務所にして、

一人暮らしでした。

 

生活も仕事も、融通がききます。

 

大丈夫かも。

 

そう思った私は、

 

いいよ、一緒に住もう~

と、軽く答えました。

 

そのすみえさん、

生保の代理店をなんと81歳まで営んでたそうです


趣味は株。

生涯独身だったからか、

生活感のない、

おばあちゃんぽくない人でした

ある日、

元気になって、一番したいことは何?を聞くと、


そうねぇ...。

銀座辺りで飲みたいわね。

 

と遠い目で答え、

私を絶句させる強烈なキャラでした。

 

でもなんだか気が合い、

同居をすることになりました。

 

とはいっても、

小ぢんまりした2DKのアパートです。

 

私の荷物まで置けません。

 

しかも、

すみえさんの部屋の工事がきっかけで、

アパートの大家さんから

ほかの部屋の工事も受注していました。

 

そのため、

仕事でも、

上尾から墨田区へ通う必要に迫られていました。

 

幸いにも、アパートには空室がありました。

 

どっちにしろ墨田区に通うなら、

引っ越してしまおう。

 

そう決めて、

私は、

すみえさんと同じアパートの一室に、

引っ越すことにしました。

 

すみえさんは高齢で、

介護認定を受けていたので、

ホームヘルパーさんが定期的に来て、

昼食や、洗濯などをしてもらっていました。

 

歩いて五秒の部屋に越した私は、

すみえさんとともに

朝食や夕食をとったり、

となりで眠ることもありました。

 

仕事が早く終わった日は、

リハビリを兼ねて

すみえさんと散歩したりしました。

 

週に一回通うデイケアサービスや、

病院に付き添うこともありました。

 

とはいえ、すみえさんと過ごすばかりでなく、

昼間は仕事に精を出していました。

 

 

当時は埼玉県のお客さんばかり。

 

墨田区のアパートと、

埼玉の現場を往復する毎日でした。

 

いつものように、爽やかな朝の県道を運転しながら、

信号待ちの停車中に、

ペットボトルの水をごくごく飲んでいると、

 

ドン!

 

とという衝撃とともに、

車が揺れました。

 

驚いて前を見ると、

前にいた大きな車が、

私のすぐ目の前まで迫ってきていました。

 

体中から、ぶわっと汗が噴き出しました。

 

 

前の車に、突っ込んじゃったんだ・・・!

 

 

水を飲むことに気を取られ、

ブレーキを踏む力がゆるんでしまったのです。

 

すぐにハザードをつけ、

サイドブレーキを引いて、外に出ました。

 

私が突っ込んだ前の車からも、

スーツ姿の男の人が二人、降りてきました。

 

はじめての交通事故でした。

 

私はただただ謝り、免許証をみせて、

連絡先交換をしました。

 

普通なら、交通事故の時、

すぐ警察を呼ぶものです。

 

が、

 

そのとき、

被害者さんは急いでいるとのことで、

あとで連絡を取り合うことで合意しました。

 

私は無知で警察に連絡しませんでしたが、

くれぐれも真似しないでくださいね!!

当事者同士の話し合いはトラブルの原因です。

損害保険が下りない可能性もあります。

こと故ったら、すぐ警察に連絡しましょう!※

 

 

いくら待っても電話はかかってきませんでした。

 

怒られるかな・・・

修理費用はいくらかかるんだろう・・・

 

ドキドキしながら、その日の夜、

被害者さんに電話をしました。

 

すると、

明日から海外出張だから、

2週間後にまた連絡する、とのこと。

 

被害者さんの車の傷は、

良く見ないと分からないほどでした。

 

とはいえ、

アストロ(アメリカの車)だったし、

そんなのんびりしたもんなのか~と

拍子抜けしました。

 

仕方がないので、言われる通り、

何も考えずに待つことにしました。

 

すみえさんと生活しつつ、

現場作業の毎日を送っていると、

被害者さんから電話がかかってきました。

 

事故から3週間が経ち、

私がこ事故のことをすっかり忘れてしまったころでした。

 

 

被害者さんは、

友だちの修理工場に見積もりをとってくれたとのことで、

15万円かかると言われました。

 

今にして思えば、

その金額が妥当かもわからないし、

うそをつかれていた可能性だってあります。

 

でも、

そんなことまったく思いませんでした。

 

ただただ申し訳ない一心で、

費用を支払う約束をしました。

 

そして、

お詫びに食事をごちそうさせてください、と

お願いしました。

 

 

ちなみにこの時、

ちゃんと自動車保険には入っていたんですよ!

でも、ほんとに無知で、

保険を使うという発想も皆無でした。

繰り返しますが、絶対真似しないでくださいね!※

 

 

被害者さんは快諾してくれて、

その週の週末、

夕方に会うことにありました。

 

私は15万円を封筒に入れ、

食事代をつめたお財布を持ち、

待ち合わせ場所に向かいました。

 

会ってすぐ、

改めてお詫びをし、

封筒に入ったお金を渡し、

食事へと向かいました。

 

被害者さんは、

ようじさんというなまえでした。

 

食事をしながら、

事故の時の話になり、

仕事で現場に向かっている途中だったと話す流れで、

起業したばかりだと話しました。

 

すると、

ようじさんは

兄弟で家業を継いで10年目だと教えてくれました。

 

思いがけず経営の先輩に出会えて、

嬉しくなりました。

 

私は、

交通こと故の被害者と加害者という立場を忘れて、

 

事業内容や起業した理由、

起業当初の苦労、

現在の状況など、

 

たくさんの話を聞きました。

 

お兄さんと一緒に

傾いていた家業を継いだのは22歳の時で、

1年近く

10万円以下の月給が続いたそうです。

 

営業してもなかなか成約せず、

社長になったお兄さんへのプレッシャーから、

うつ状態になってしまったこともあった、

と言っていました。

 

でも営業努力を続けて、

10年経った今では、

会社は年商4億円に成長したとのことでした。

 

 

起業したばかりの私にとって、

このリアルな創業奮闘の物語は

楽しく、

刺激的なものでした。

 

夢中で話しを聞くうちに、

あっとう言う間に時間が過ぎていきました。

 

ようじさんは、

10年前の自分を思い出す、と

食事代を出してくれました。

 

お詫びのための食事会だったはずが、

ようじさんにごちそうされてしまいました。

 

それだけでなく、

別れ際、私が渡した封筒を差し出されました。

 

『軌道に乗るまで大変だろ。がんばれよ。』

 

私がぶつけた車の修理代です。

受け取れません。

 

でも、差し出されること4回、

ありがたく受け取ることにしました。

 

ようじさんとは、

その後もずっと仲良くしてもらい、

まるでお兄ちゃんと妹のように付き合うようになりました。

(私の義兄と生年月日が一緒だったんです!)

 

 

私はこの時、

ようじさんの話しを聞いて、

墨田区でお客さんを獲得すべく、

営業することを決めるのでした。

 

第13話に続く

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高校中退アホ女子が起業して年収1000万を得たストーリー

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中村華子プロフィール

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はじめまして、中村華子です。
3人の子どもと暮らすシングルマザーです。

親から虐待されて育ち『支配される恐怖』のなかで子ども時代を過ごしました。

アホ女子高校を中退しフリーターしていましたが、

『一生、誰にも支配されない生き方がしたい』と25歳だった2006年に起業し、1年で年収1,000円になりました。
↓2年続けて、本を二冊、出版しました↓


 
女子でも、

学歴も、才能もセンスも、

コネも人脈も、 経験も特技も、

何にもなくても、

依存せず自立できることを、身をもって体験しました。

 

少し昔の私と同じように『今を変えたい!』と思っていたら、
大丈夫です、ぜったいあなたでもできます!と伝えたい。

そのために、私の経験や知っていることを活かして欲しい。 そう思って、ブログを書いています。


もしすこしでも私のことに興味を持たれたら、ためしに読んでみて下さい!

アホ女子高校を中退したフリーターが、起業して年収 1000 万を得るまでレポート

 

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もし長い文章でも良ければ、こちらも読んでいただけると嬉しいです。
(左の画像をクリックすると、ストーリーが読めます)

恋愛、仕事、起業、二度の結婚と離婚、出産、子育てなどなど、隠すことなくいままでのすべてをさらけ出した、私の生い立ちストーリーです。
寝不足になってしまう、と好評です(笑)。

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